税制改正大綱⑤ 空き家売却の税額控除など住宅税制

posted by 2016.01.6

 税制改正大綱の解説を再開します。
各論の1回目は個人所得課税の住宅・土地税制から。

(1) 空き家に係る譲渡所得の3000万円控除

<概 要>

増え続ける空き家の流通を促すための新制度。
売却した場合に儲けから3000万円を控除できます。
条件が多く適用は限定的ですが使えれば効果は大きいです。

<要 件>

相続直前に被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地の譲渡

昭和56年5月31日以前に建築された一戸建て(マンションは不可)

相続開始後3年を経過する日の年末までに未使用のまま売却

平成28年4月1日~平成31年12月31日までに売却

売却額は1億円以下

売却時点で耐震基準等を満たしている

 

(2) 三世代同居改修工事の税額控除

<概 要>

子育て応援の見地から三世代同居を推進。
住宅ローン控除の増改築制度を拡大。
住宅ローンがなくても適用あり。

<要 件>

平成28年4月1日~平成31年6月30日までに改修

住宅ローンあり:三世代同居改修工事ローン(上限250万円)の2%、それ以外の工事ローン(合わせて上限1000万円)の1%を所得税から控除

住宅ローンなし:三世代同居改修工事(上限250万円)の10%を所得税から控除

台所、お風呂、トイレ、玄関のうち2つ以上を増やす工事

借入金は5年以上

三世代同居改修工事であることの証明を評価機関等からもらう必要あり

 

(3) その他

<概 要>

居住用財産買換えの軽減税率、損失の繰越控除など各規定を2年間延長

海外赴任中でも住宅ローン控除可能に(平成28年4月1日以後に住宅取得)

<補 足>

従来は家を買ってから住む前に海外に転勤になるとたとえ家族が住んでいても住宅ローン控除は永久に受けられませんでした。
運が悪いと諦めるしかなかったのですが、改正により救済されそうです。