実効税率20%台の財源

posted by 2015.12.1

 法人の実効税率が下がりそうです。
現在32.11%のものが2016年度には29%台へ
それ自体は大変ありがたいのですが、財源はどこから?という話になります。

 

 実効税率下げに必要な4000億円の財源を確保するのに事業税の外形標準課税が強化される見込みです。
事業税は通常儲けに対して7%前後かかります。
ただ儲けだけに課税すると次のような会社は事業税が発生しません。

・規模は大きい(行税サービスを多く利用している)が赤字の会社

・過去の大きな赤字で欠損金があるため、今の儲けが相殺されている会社

 

 そこで儲けへの課税(所得割)だけでなく資本割(会社規模を表わす資本金×0.21%)付加価値割(給料・家賃・利息・利益×0.504%)の3つの視点から課税するのが外形標準課税です。

 

 ただ儲かってないのに税金を払うのは大変なので現行では資本金1億円以上の中堅以上の会社に限定されています。
適用を受ける会社の範囲を広げるという案もありましたが、構成比を見直して増税することになりそうです。
所得割の比率を下げ、付加価値割の比率を上げることで儲かっている企業の負担は減少、赤字の会社の負担は増えることになります。

 

 外形標準課税の強化だけでは財源が足りないため、設備投資などの投資減税も縮小される可能性があります。
中小企業にとってはこちらの方が影響が大きそうです

 

 改正と言っても「年が明けたらすぐ」というような話ではないので年末の税制改正大綱など今後の方向性を見極めて投資計画を考えていけばいいと思います。