財産債務調書の精度

posted by 2015.08.28

昨日の続きで財産債務調書の気になる点について見ていきます。

 

3.どれぐらいきっちり書かなあかんのか

 

 ① 書く項目

所在、用途、種類別の価額など

株の場合は取得価額も記載

 

 ② 金額

時価又は見積価額を記載

時価…鑑定評価額や証券取引所の取引価額
    
見積価額…財産の種類に応じて次のような価額

<土地・建物>

固定資産税評価額、相続税評価額、取得価額にその取得後における価額の変動を合理的な方法によって見積もって算出した価額(帳簿価額)など

<非上場株式>

取得価額、相続税評価額、法人の純資産価額帳簿価額によって計算した金額)に自己の持株割合を乗じて計算するなど合理的に算出した価額など

時価といっても一々鑑定評価は取れませんし、取引価額の分からない資産が多いので実際には見積価額で記載することが多いでしょう。
見積価額も幅が広く、”とにかく何か書いて欲しい”という感じがします。

 

 正直、何でもかんでも報告させられるのは税理士としても個人としても抵抗感あります。
罰則も優遇も現時点の内容では調査で修正にならない限り影響がないので調書を提出するかどうかの決め手にはなりません。
ただ、どこまで書くのかともかくとして財産と債務の内容を整理するにはいい機会かも知れません。
これをきっかけに相続税の試算をしたり、納税資金の確保や遺言の検討につなげることもできます。
提出の可能性がある方は確定申告時期にバタバタと考えるより、年内に財産債務の洗い出しから着手することをお薦めします。