今年から相続税が増税になりましたが、皆さんどんな対策をしているのでしょうか。
日経の調査では次のようになっています。
① 110万円の贈与
② 住宅取得資金贈与
③ 教育資金贈与
④ 生命保険
⑤ 小規模宅地の評価減対策
贈与関係が多く、特に①110万円の贈与に関しては対策した人の6割が実施しています。
②以降は2割前後の方が実施しています。
ただ実際にお客様に聞いてみると危なっかしい対策もあります。
例えば110万円を孫何人かに贈与して通帳もハンコも預かってます、とか。
渡したら使ってしまうかも、と不安になるのは分かりますが、これでは贈与とは認められない可能性があり、相続財産に戻ってきます。
贈与はお互いの契約ですので、もらった側にも認識があり、自由に使える状況にあるのが原則です。
110万円贈与に関するコツをご紹介しておきます。
・現金ではなく振込にして証拠を残す
・110万円を少し超える贈与にして贈与税の申告をする
(120万円なら贈与税1万円、111万円なら贈与税1000円)
・携帯の引き落とし口座にするなど使った実績を残す
・(早めに)通帳を本人に渡す
・(できれば)贈与契約書を作って署名押印する
すべてをクリアするのは難しいかも知れませんが、一つでも多く実行してリスクを軽減していただきたいところです。
税務以外で心配なのは贈与のし過ぎ。
新聞記事、金融機関、近所の噂話などあふれる情報から不安が増幅されて対策し過ぎる方もおられます。
増税になるといっても相続税がかからないか、少額の方がほとんどです。
相続対策が過ぎて自分の老後資金がなくなっては意味がありませんので、専門家や家族と相談しながら贈与は実行していただきたいと思います。