年末調整は年末にするとは限りません。
通常は年内最後の給料や賞与で年末調整しますが、次のような場合は違うタイミングで行ないます。
- 年の中途で死亡退職した人・・・退職の時
- 著しい心身の障害のため年の中途で退職した人で、本年中に再就職ができないと見込まれる人・・・退職の時
- 年内最後の給与を受けた後に退職した人・・・退職の時
- 年の中途で、海外支店へ転勤した場合など非居住者となった人・・・非居住者となった時
非居住者となった時とは、要は出国日です。
海外転勤者は年の途中で年末調整を行うことになります。
上記に共通するのは”年末”に近い状況が年の途中で発生しているということです。
年末調整し忘れると還付を受けるために確定申告しないといけないので、忘れずにしてあげましょう(してもらいましょう)。
ちなみに、後述する扶養親族などの判定も年末調整を行う日の現況で判定します。
年の途中で扶養親族等が亡くなった場合、亡くなった日時点で扶養親族等であればその年の控除控除などが適用されます。
場合によっては1人の人が2回扶養親族になります。
<例>
夫A(給料500万円)、妻B(給料300万円)、子どもC(16歳)の家族。
① 夫Aが年の途中で死亡。
② 亡くなった時点では子どもCは夫Aの扶養親族として38万円控除。
③ 年末で判定して妻Bの扶養親族として38万円控除。
子どもCは2回扶養親族になっています。
ちなみにこの妻Bは「特別の寡婦」に該当するため35万円控除できます。
次回は配偶者控除です。