ふるさと納税の改正

posted by 2014.08.19

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先日「ふるさと納税簡単に」という報道がありましたが内容が画期的だったのでご紹介します。

 ふるさと納税とは、居住地ではない任意の自治体に寄付をすることにより税の軽減が受けられる制度です。
最近は各自治体が特産品を競っているので税以外のメリットでも注目されています。

 

来年からどう変わる予定かというと次の2点。

・確定申告不要

・控除の上限2倍

 

<確定申告不要>

 寄付のためだけに確定申告をするのはめんどくさいという意見もあったので緩和されます。
具体的には所得税の控除をなしにして全て住民税から控除します。
所得税から控除しないので確定申告は必要ありません
自治体は申告がなくてもシステムで連携すれば寄付額は把握できるはずです。 

<控除の上限2倍>

 理論上2,000円を引いた残り全額が還付されるのですが、住民税の10%が上限になるので全額還付されないケースがありました。
お客様から「ふるさと納税は得すんの?」と聞かれた際には「寄付額はほぼ全額税金から引けますが、住民税によって上限が変わるので計算してみないと分かりません。特産品に釣られて寄付しすぎると損することもあります」とお答えしていました。
来年から住民税の特例控除の上限が住民税の20%になる予定ですので全額還付できる幅が広がります。

ちょっと分かりにくいので控除の仕組みもおさらいしておきます。

 ① 所得税 (寄付額-2,000円)✕各人の所得税率(5~40%)

 ② 住民税・基本控除 (寄付額-2,000円)✕10%

 ③ 住民税・特例控除 (寄付額-2,000円)✕(90%-所得税率)

所得税率が20%だとすると、住民税の特例控除が70%ですので①②③合わせると100%になります。
100%ということは2,000円を引いた残り全額が返ってくることになります。
実際には還付されるというより、2,000円のコストをかけて税金の支払先を変えただけなんですが特産品によってプラスになるとも言えます。

 

 ちょっと気になるのが他の寄附金との格差。
ふるさと納税が簡単になったとしても他の公益法人等の寄付金については確定申告も従来通り必要ですし、計算もプロが迷うほど複雑です。
今回の改正は地域活性化が狙いのようですが、本当に日本に寄付文化を根付かせるなら、ふるさと納税以外の寄付金控除の手続きも簡素化して欲しいものです。