慰安旅行に家族はOK?

posted by 2014.08.8

海

 慰安旅行に家族を連れていくことがありますがこれは経費になるのでしょうか。
例えば子どもさんが小さいとか、家族のおかげで社員さんもがんばれているのだから家族も招待したいというお話も聞きます。

結論としては現状では難しいと思います。

まず慰安旅行が経費になる要件を見ていきます。
なお「経費になる」というのは「従業員さんへの給与として本人に所得税が課税されることなく、会社の福利厚生費として処理できる」ということを指しています。

① 旅行に要する期間が4泊5日以内(海外の場合は現地の滞在日数)。
全従業員の50%以上が参加
③ 特定の人だけを旅行の対象としない。
④ 不参加者にお金や商品券等を渡さない。
⑤ 旅行の内容や費用が社会通念上一般的に行われていると認められる範囲内(10万円)

この要件のどこに引っ掛かるかと言うと…

② あくまで従業員を慰安するものであって家族は従業員ではない。
⑤ 社会通念上、家族を慰安旅行に同伴するのは一般的でない。

といったあたりになります。

家族分の費用だけでなく従業員本人の費用まで給与課税するという考え方もあるようですが、実務的にはそこまで言われることは少ないと思います。

給与課税への対策としては、次のようなものがあります。

・家族分を明確にしておく。
・値引き箇所の調整などで家族分の金額をできるだけ抑えてもらう。
・家族分は自己負担にする、あるいは旅行積立から支払う。
・家族分は交際費として自己否認しておく(グレーですが…)。

なお、今後社会通念が変われば家族分もOKになるかも知れません。
現に海外旅行が珍しかった時代は海外への慰安旅行は経費になりませんでしたが、今ではOKです。
外資系企業では家族を招待することも普通にあるようですのでそれが日本企業にも定着すれば家族分も経費になる時代が来るかも知れません。

慰安旅行に関していうといろんなケースが考えられます。
役員だけの会社はどうなるか、日帰り旅行はどうなるか、など個別事例は次回へ続きます。