1月は源泉所得税の納付と合計表作成の時期ですので、報酬の源泉所得税をチェックする時期でもあります。
その際に源泉所得税の引き忘れを発見することがあります。
例えば個人に払うデザイン料が10万円あれば、本来10%の1万円を引きます。(簡略化のため、復興特別所得税2.1%は無視)
ところが何も引かずに10万円丸ごと渡してしまった…。
対処法は4つあります。
① 支払先から10%返してもらう
一度払ったものを返してもらうのは難しいし、かっこも悪いし…。
② 次回支払時に精算する
毎月出てくる支払先であれば、翌月多めに引いて精算するのもありでしょう。
③ 10%上乗せする
支払った10万円を手取り額と考え、10万円÷90%=111,111円の請求であったことにします。
このうち11,111円を税務署に納めますが、この分会社の負担は増えてしまいます。
④ 何もしない
何もせずに置いといて、後日税務調査で「源泉徴収義務を果たしていない」と指摘された場合、1万円の源泉を支払うことになります。
さらに罰金が源泉所得税の10%かかります。
払った1万円は支払先から回収するのが建前ですが、実際には①と同様難しいでしょう。
なお源泉所得税の罰金である不納付加算税は5000円未満であればかかりません。
正式な処理は①だけで、②③④は実務上の対応になります。
現実的には②か④といったところでしょうか。
金額によっても判断は変わってきますので迷った場合はご相談下さい。
ちなみに受け取った側では源泉所得税は税金の前払いに過ぎないので税金の総額には影響してきません。