ゴルフ会員権の損益通算禁止(H26改正)

posted by 2014.01.6

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新年ということで税制改正について取り上げます。

 平成26年度税制改正大綱は平成25年12月12日に公表され、同24日に閣議決定されました。
盛り沢山な内容の中には、報道での取り扱いが小さくても中小企業にとって影響が大きいものもあります。
まだ政令等細かい法律は出てないので詳細は変わってきますが方向性で捉えていただきたいと思います。

 

第1回目は『ゴルフ会員権の損益通算禁止』です。

 大綱通りに法案が可決されると平成26年4月1日以後の譲渡に係る譲渡損失は損益通算不可となります。
今年の3月までは損出しのための駆け込み売却がありそうですが、譲渡損失の計算には注意が必要です。

 譲渡損益は(譲渡対価ー取得費)で計算されます。
所有しているゴルフ会員権がオープン以来健全経営しているところであれば問題ありません。
しかし経営難に陥り、預託金カット等が行われたものである場合には取得費の計算がややこしくなります。

(ケース1)
入会金100万円、預託金500万円でオープン時に購入。その後預託金全額がカットされた場合

⇒取得費100万円

預託金の500万円の損は貸倒損失(家事費)ですからなんら救済されず、取得費は入会金の100万円のみとなります。

 

(ケース2)
ケース1の会員権を業者から300万円で買い、名義書換料を70万円支払い。その後預託金全額がカットされた場合。

⇒取得費120万円

300万円×100万円/(500+100)万円+70万円=120万円
300万円をプレー権たる入会金と預託金で按分するため、取得費は支払った300万円より小さくなります。 

 

譲渡損が出ると思って売却したのに実は出なかったということがないよう、売却前に取得費をご確認ください。