JOC(日本オリンピック委員会)が5億円追徴課税されたというニュースが出ていました。
2年前には20億円の申告漏れを指摘されていましたが、今回は税理士が改正を把握していなかったことが原因のようです。
改正内容は公益法人等のみなし寄附金に関するものです。
1.みなし寄附金とは
公益法人等が公的な事業を行うには当然お金が必要で、そのためには別の事業で稼ぐことになります。
例えばJOCでは日本代表の派遣や選手強化が本来の事業であり、非収益事業にあたります。
一方、スポンサー収入やグッズ販売は収益事業にあたります。
例年、収益事業は10~15億円の黒字、非収益事業は10~15億円の赤字になっているようです。
収益事業には法人税がかかりますが、非収益事業には法人税はかかりません。
では収益事業だけに多額の法人税がかかるかというとそういうわけではありません。
収益事業で稼いだお金を非収益事業に寄附したと考えて相殺する仕組みになっています。これを「みなし寄附金」と言います。
2.寄附限度額の計算方法
① 改正前
下記のうち大きい金額
・収益事業の黒字 × 50%
・非収益事業の赤字
② 改正後(2025年4月1日以後開始事業年度~)
下記のうち大きい金額
・収益事業の黒字 × 50%
・非収益事業の赤字-収益事業の黒字 × 50%
改正前は赤字額全額が収益事業の経費になっていましたが、改正後は半分しか経費にならなくなりました(黒字と赤字が同額の場合)。
JOCはこの改正に気付かずに、従来の計算方法で申告してしまったようです。
公益法人等が優遇され過ぎているので、一般の法人との公平性を確保することが目的だったようですが、酷な改正とも言えます。


