前回の続きで特別受益と税金の関わりについて見ていきます。
その前に特別受益の勘違いしやすい点を確認しておきます。
④ 注意点
<必ず発生する?>
特別受益は、生前贈与等でもらった分を足し戻して計算することで、公平な遺産分割をする民法上の仕組みですが、当事者が主張して初めて発生するものです。
そのため、特別受益に気づいていない場合や、知っていても当事者で問題がない場合には、亡くなった時点の財産だけで遺産分割協議をすることになります。
<贈与がなかったことになる?>
生前贈与等を足し戻しますが、あくまで計算上の調整であり、生前贈与自体は有効であり、取り消されるわけではありません。
ちなみに特別受益の金額が大きくて、亡くなった時点の遺産分割を0にしても調整し切れない場合であっても、原則として返す必要はありません。
ただし、遺留分を侵害していれば、遺留分侵害額請求を受ける可能性はあります。
2.生前贈与加算との関係
財産に足し戻すという仕組みは、相続税の生前贈与加算に似ていますが、全く別物です。
<目的>
・特別受益は公平な遺産分割が目的ですが、生前贈与加算は贈与による相続税逃れを防ぐことが目的です。
<期間>
・特別受益は何年前でもさかのぼりますが、生前贈与加算は最長で7年前までです。
<主張>
・特別受益は主張して初めて足し戻しますが、生前贈与加算は主張に関わらず事実に即して加算します。
<時価>
・特別受益は亡くなった時点の時価で計算しますが、生前贈与加算は贈与時点の時価で加算します。
特別受益と生命保険金との関わりについては次回へ続きます。


