先週の続きで、年金を繰下げ受給する場合の注意点について見ていきます。
5.税金や社会保険への影響
年金が増えるということは雑所得が増えることを意味します。
所得税、住民税だけでなく、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、各保険の自己負担割合、所得税の扶養などに影響が出る可能性があります。
年金が増えても、結果的に手取りが減る可能性もあるので、大幅に増える場合は税金や社会保険への影響もシミュレーションしておきましょう。
6.まとめて受け取る場合
繰下げ受給をしていても、前提条件が変わって資金が必要になった場合等に、やはり年金を受け取りたいというケースもあり得ます。
受取額は、一括受給する年齢によって変わります。
① 70歳未満
65歳以降の年金をまとめて受け取ることが可能です。
ただし、増額は消えて65歳からもらえる本来の年金額を受け取ることになります。
税金については、各年へ振り分けて計算します。
② 70歳~75歳
「特例的な繰下げみなし増額制度」が適用され、請求日前5年分は増額した状態で受け取ることができます。
例えば73歳で一括受給すると、68~73歳は+25.2%、65~67歳は+0%になります。
またその後受け取る毎年分も+25.2%で確定されます。
③ 75歳以降
年金には時効(5年)があるため、5年以前の分(65歳~70歳)は受け取れなくなります。
その場合は一括受給せずに最大の増額率(+84.0%)で毎年受け取っていくことになります。
7.亡くなった場合
繰下げ中に本人が亡くなった場合、遺族が未支給年金として受け取ることが可能です。
ただし、増額は消えて65歳以降の本来の年金額になります。
また、6②のみなし増額の特例もなく、5年の時効に引っかかれば受け取れない部分が出てきます。
税金については、遺族の一時所得になります。
年金の繰下げには、様々な制度が絡んでくるので、単に元が取れるかどうかだけでなく、慎重に検討した上で実行するようにしましょう。


