前回の続きでKSK2の導入により、税務調査がどう変わるかという点について見ていきます。
KSK2の特徴として次の3点があります。
・紙からデータへ(AI-OCRで自動スキャンしてデジタルデータ化)
・税目別データベースの統合(マイナンバー等で紐付け)
・オープンシステムに移行(外部データとの連携が容易に)
これらの特徴により、データの質が向上し、そのデータを活用する鍵となるのが「AI」です。
現状でも調査先の選定において、AIが活用され、効果を上げていますが、データの質が向上することで、AIが活躍する場面も広がります。
その結果として、税務調査において次のような変化が予想されます。
・縦割りだった情報が統合されることで、法人と個人の情報をAIが一瞬でチェックできて、不自然な点を見つけやすい(例:会社は赤字なのに個人資産は増えている)。
・データベースが税目横断的に運用される結果として、法人税、所得税、相続税など多税目を同時に調査するケースが増える。
・外部データも取り込まれるので、銀行の取引履歴やネット販売の情報などの外部の情報と申告内容をAIが照合できて、漏れを発見しやすい。
・調査先からデータベースにアクセスできるようになるため、一々税務署に戻って調べる必要がなく、調査スピードが向上する。
KSK2の導入により、確かに調査の精度は上がりますが、炙り出そうとしているのは、これまで「うまくやっていた人」です。
ネット取引はバレにくいから申告していない、税目が違えばバレにくいのであえて法人を赤字にして個人で不正に蓄財している、といったようなケースです。
したがって真面目に申告している大多数の人にとっては、KSK2になってもさほど影響はありません。
怪しいところに重点的に税務調査に行ってくれて、真面目なところは調査に来ない、あるいは来てもすぐ終わる、となってくれれば言うことなしですが、そこまで変わるにはちょっと時間がかかるかも知れません。
システムが変わってもあくまで使いこなすのは人なので。


