大手通信会社の共同創業者に関する贈与税の申告漏れがニュースになっていました。
申告漏れ7億5000万円という金額の大きさもさることながら、手法自体は比較的使われてきたものなので、少し深堀りしてみます。
<経緯>
① 2013~2017年に法人3社を設立
② 借入金で都内のマンションを各社1棟ずつ購入(計40億円)
③ 2017年以降、子ども4人に3社の株を贈与
④ 路線価等での評価8億円<借入金のため、贈与税は0円
⑤ 税務調査でマンションの評価額を34億円と認定、贈与税1.7億円を追徴
⑥ 国税不服審判所に審査請求するも棄却
<解説>
まずこの贈与自体、極めて合法です(当時)。
ではなぜ税務調査で否認されたのか?
法人で不動産を取得した場合、3年間は時価をベースに評価する必要があります。
3年経つと土地については路線価評価、建物については固定資産税評価額を使えるようになります。
今回のケースでは、時価をベースにすると34億円、路線価等をベースにすると8億円なので大幅に下がります。
その3年経ったタイミングですぐ贈与しており、8億円という評価額が「著しく不相当」と国税当局は判断しました。
国税局は課税するに当たって「総則6項」を適用、いわゆる『伝家の宝刀』を抜いています。
「総則6項」は形式的には合法であっても、課税の公平性を欠く場合には、再評価して課税できる例外規定です。
このような例外規定は、国税庁の裁量次第なところがあり、予測可能性が低いことから納税者からの反発もあります。
そこで近年は法律で封じ込める方向で改正がされつつあります。
(つづく)


