毎年この時期に公表される国税局査察部、通称「マルサ」の調査状況が国税庁HPで公表されていたのでご紹介します。
1.データ
・処理件数127件(前年150件)、うち告発件数82件(前年98件)
・1件当たりの脱税額1億200万円(前年8800万円)
・件数は減少しましたが、1件あたりの脱税額は増加しています
・重点分野:消費税の不正還付、無申告、国際、ソーシャルメディア関連
2.業種の特徴
・告発件数:① 建設業 ② 卸売業 ③ 不動産業 ④ 運送業
・景気のいい業種が上位に来る傾向があります。
3.隠し場所
・使いみち:株、ギャンブル、ブランド品、飲食遊興費、アプリ等の課金
・隠し場所:クローゼット、スーツケース、隠し金庫など
使いみちではアプリやゲームへの課金に使っていたというのが時代を感じます。隠し場所については「マルサの女」の頃からあまり変わらないようです。
4.重点事案
① 消費税
・過去に輸入した機械を国内の事業者から過大な金額で購入したように装い、消費税を還付
・運送会社が取引先に虚偽の請求書を作成させて消費税を還付
② 国際
・日用品の輸入会社が架空の輸入仕入を計上
・コンサル会社が架空経費を計上し、不正資金は海外預金として秘匿
③ ソーシャルメディア関連
・インフルエンサーの代理店が架空外注費を計上
・SNSで海外にイラスト販売をしていた事業者が海外イベントでの売上を除外
・スポーツ教室の運営会社が、補助金収入を除外し、さらに架空の施設利用料を計上
手口については売上除外や架空経費といった内容は昔から変わっていませんが、ネットや海外が絡むことで巧妙かつ複雑にはなっています。
重点分野についてはここ数年傾向が変わっておらず、何もしていない普通の人にもチェックが入るほどです。
真面目にやっている人に何となく調査に来るぐらいなら、上記のような悪質な事例をビシビシ取り締まって欲しいものです。


