前回の続きで、身内に不動産を貸した場合の相続税への影響について見ていきます。
3.相続税
① 有償
<生計一親族>
・権利の評価減:貸していることによる賃借権や借地権の控除は不可
・小規模宅地等:居住用は不可、事業用は可能
生計一親族と賃貸契約して家賃をもらったとしても、財布が同じであるため、使用貸借扱いとなり、税務上は賃借権(30%)や借地権(通常60・70%)の控除はできません。
ただし、借りた生計一親族が自らの事業に使っている場合には、小規模宅地等の特例は使えます(事業用80%、貸付事業用50%)。
<生計別親族>
・権利の評価減:貸していることによる賃借権や借地権の控除が可能
・小規模宅地等:被相続人の貸付事業用として50%の評価減が可能
適正な家賃を受け取っていれば、第三者に貸しているのと同じように賃借権及び借地権の控除や小規模宅地等の特例が使えます。
② 無償
<生計一親族>
・権利の評価減:貸していることによる賃借権や借地権の控除は不可
・小規模宅地等:生計一親族居住用として80%の評価減が可能
親族かどうかに関わらず、使用貸借の場合は賃借権や借地権が発生しないので、控除はできません。
ただし、小規模宅地等の特例については、住んでいた生計一親族が相続すればそのまま住めるように居住用の評価減は使えます。
<生計別親族>
・権利の評価減:貸していることによる賃借権や借地権の評価減は不可
・小規模宅地等:適用不可
親族かどうかに関わらず、使用貸借の場合は賃借権や借地権が発生しないので、控除はできません。
小規模宅地等については、被相続人及び生計一親族の事業用でも居住用でもないため、適用はありません。
”使用貸借”と”生計一親族”は相続税の中では「スルー」されることが多く、基本的には不利ですが、小規模宅地等の特例が使えるケースもあるので丁寧に確認しましょう。


