前回の続きで非上場株式の評価に関する課題を整理します。
4.非上場株式の事業承継
① 背景
・事業承継を考慮して評価を下げる方向で改正が行われてきた(類似の緩和、配当還元の拡大等)
・会社法、組織再編税制、グループ税制などの改正に財産評価基本通達が対応できていない
・事業承継税制が何度も改正され、特例措置も期間限定で導入されたが、あまり普及していない。
・グループ税制等を活用して事実上の事業承継が行われている
・上場企業経営者や富裕層が、持ち株会社や資産管理会社を用いた高度な節税スキームを駆使している
・行き過ぎた節税には、個別に行為計算否認や評価通達6項を適用せざるを得ない
・中小企業のM&Aや非親族の第三者への事業承継が増えている
② 関係団体からの意見
・企業価値を高めると株価上昇により税負担が増加、円滑な事業承継を阻害している
・非経常的な損失計上や資産の移転を恣意的に行って株価を引き下げる例がある
・純資産価額は清算前提なので、継続企業には相応しくない
・純資産価額は高すぎる
・退職給付債務や資産除去債務は実際の取引では減額要因なので考慮すべき
今後の方向性については最終回に続きます。


