不動産を売却した場合は、売値から取得費と経費を引いて所得税を計算します。
”取得費”とはいくらで買ったかということですが、これにはいろんな特例があります。
①土地の場合
一番シンプルです。「購入代金+購入手数料」で計算します。購入時の税金、造成費用、測量費なども含まれます。
②建物の場合
使うと償却費で目減りしていくので購入した値段より下がります。「購入代金+購入手数料-償却費」で計算します。
償却費は居住用の場合は耐用年数を長めにします。例えば木造なら本来22年ですが1.5倍の33年として償却費を計算します。これは商売で使うのに比べて消耗が少ないだろうという考え方です。
③大昔に買った不動産
明治時代に1円で買った不動産、あるいは代々引き継いできたので最初にいくらで買ったか分からないというものもあります。あまりに古いと物価も違いますし、全く分からない場合だと0円になってしまうのも酷です。
そこで昭和27年以前から持っている不動産については「売却額の5%」を取得費として使える特例があります。概算取得費と言います。先ほどの例でいうと5000万円×5%=250万円になります。ちなみに昭和27年というと戦後7年経っていて、これから高度経済成長に入る前という時期に当たります。
この特例は取得費が分からない時だけでなく、分かるけども概算取得費より少ない場合も使ってOKです。5000万円で売れた土地が昭和初期に100万円で買っていたとすると概算取得費の250万円の方が有利なのでこちらを使います。
④相続で引き継いだ不動産を売却した場合
これをメインで書くつもりでしたが長くなってきたので明日へ続きます。