有姿除却

posted by 2013.08.8

 有姿除却(ゆうしじょきゃく)、聞きなれない言葉ですが、意味としては”姿は有るけど除却する”ことを言います。

固定資産を廃棄した場合は、帳簿上残っている簿価を「固定資産除却損」として特別損失に計上します。
通常は廃棄の証明(マニフェスト)をもらったり、証拠となる写真を残したりします。

では事実上使っておらず今後も使う可能性が極めて低いが、まだ廃棄していない資産はどうなるでしょうか。

このような場合も、固定資産としての使用価値が失われたものとして「固定資産除却損」として損失処理が可能です。

特に金型のようなものは生産を中止していても、将来再生産の見込みが少しでもあれば置いておくことになります。
もし再生産することになった場合には一から金型を作らなければならないためです。

 なお使用価値が失われたことを立証するのは会社側ですので、廃止時点における事後処理の方法や状況の変化を踏まえた判断の資料を用意しておくべきでしょう。

 また会計上においても使用価値が失われたものは損失処理して貸借対照表から落としておくことでより健全な財務諸表にすることができます。