どうなる贈与税!?

posted by 2022.05.16

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 去年あたりから

「贈与税どうなるんですか?」

「110万円の非課税枠なくなるんですか?」

といった質問をよく受けるようになりました。

 

 贈与税は相続税より税率が高いだけに節税を考える場合、コツコツ計画的にすることが多いです。
土地の贈与にしても保険料贈与にしても長期の計画で贈与していて、途中で税制改正があると効果が消えてしまうこともあり得ます。

 

 贈与税は一体どうなるのか?

 税制改正大綱には次のように書かれていました。

「相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税のあり方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。あわせて、経済対策として現在講じられている贈与税の非課税措置は、限度額の範囲内では家族内における資産移転に対して何らの税負担を求めない制度となっていることから、そのあり方について、格差の固定化防止等の観点から、不断の見直しを行っていく必要がある。」

 ここを読むと、相続時精算課税制度の拡大、生前贈与加算の拡大、110万円非課税枠の縮小や廃止といったことが想定されます。

 

 一方税理士会からは次のような答申が出されています。

基礎控除の額は、資産の移転に障害とならない水準に引き上げることを検討する必要がある。
3年となっている贈与財産の持ち戻し期間を長期化することで相続税と贈与税の一体化を図るべき。
・基礎控除額以下の贈与について、税務当局はその情報を有していないこと、納税者においては申告義務がないことから、少額の贈与の全てを管理、記録、捕捉をして加算制度の対象とすることは実際問題とすると極めて困難。

 税理士会は中立という建前があるので、大綱に気は使いつつ、資産移転による経済活性化や実務上の問題点を指摘する内容となっています。

 

 贈与税のあり方については今後議論が進められるので、方向性や改正時期を含めて、年末に発表される税制改正大綱の内容が注目されます。