退職金積み立て ①

posted by 2022.05.10

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 前回の続きで会社としてどう退職金を積み立てていくかという方法について見ていきます。

 

1.中退共(中小企業退職金共済)

<概要>

・独立行政法人が運営する国の退職金制度
毎月掛金を積み立てていき、退職時には機構から従業員に直接振り込み
・小売業で従業員50人以下または資本金5000万円以下など中小企業であることが加入条件の1つ
・原則として従業員全員加入が条件
新規加入時や掛金増額時に1年限定で国の補填あり

 

<経理>

・掛金:月5000円~30000円(変更可能)
・経費:全額損金算入

 

<注意点>

・直接従業員の口座に振り込まれるので会社都合での減額等ができません。会社に迷惑を掛けて退職した場合でも同様です。

 

<手続き>

・銀行が窓口なので引落しを予定している銀行で用紙を入手して加入

 

2.特退共(特定退職金共済制度)

<概要>

・商工会議所が運営する退職金制度
・毎月掛金を積み立てていき、退職時に従業員に直接振り込み
・原則として従業員全員加入が条件
・中退共と異なり加入に”中小企業”という縛りがない

 

<経理>

・掛金:月1000円~30000円(変更可能)
・経費:全額損金算入

 

<注意点>

・受取額は中退共の方が多くなります。元が取れるのが中退共は約4年後ですが、特退共では約20年かかります。
・加入後1年未満の退職でも支給されます。中退共は1年未満では支給されません。

 

<手続き>

・商工会議所にて加入手続き

 

 中退共と特退共はどちらも全額経費になり、従業員に直接退職金が支払われるなど似た制度ですが、利回りの差や国の制度である安心感からか中退共に加入するケースが多いように思います。

 

 次回は民間の保険を使った退職金準備について見ていきます。