印紙税の節約

posted by 2022.03.16

money_syunyuinshi

 先日『ファミマで印紙税1億3000万円納付漏れ』という金額的にインパクトのあるニュースが出ていました。

 内容としてはFC加盟店が本部と交わした文書が売上の受取りにあたると判断されたようです。
1万店以上の数年間分約60万通×1枚200円=1億3000万円という計算です。
報道から推定すると第17号文書「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」に該当して、5万円以上100万円以下の受取りに対して1通200円かかっていると考えられます。
「領収書」という形式ではなく「確認書」などの書式であったため売上の受取りと認識していなかった可能性があります。
なお1.3億円の漏れに対して支払うのは過怠税10%を含めた1.5億円です。これは丸ごと罰金と考えるので1.5億円全部が経費になりません

 

 課税根拠もよく分からない税金なので出来るだけかからないようにしたくなるものですが、どうすれば節約できるのでしょうか。

 

① 契約書を作らない(おすすめ度0)

 文書を作ることで課税されるので作らなければ課税されません。
契約自体は口頭でも成立するので文書にしなければ印紙税は要りません。
ただトラブルになった際の証拠がなく、税務的にも契約内容を立証するものがないのでおすすめはできません。

 

② 契約書の部数を減らす(おすすめ度★★)

 売買契約書や賃貸契約書は通常2通作って、当事者が1通ずつ持ちます。
印紙税は作った契約書の部数分かかるので、原本を1通だけ作って、当事者の一方(例えば売買契約書の売主)はコピーを保管すれば書類としては1通で済みます。この場合1通分の印紙の負担を折半することになります。
ただ原本を紛失してしまうとコピーが1通残るだけになってしまうので重要な契約ではあまりおすすめしません。
グループ内や役員会社間の契約などトラブルになりにくい契約において有効な方法です。

 

③ 記載事項を工夫する(おすすめ度★)

 印紙税は売買や請負などの”記載金額”を基準に金額が変わるものが多いです。そのため金額をなるべく書かないようにすれば印紙税を節約することができます。
金額以外では、対価の支払方法、契約期間など様々な契約条項を書くかどうかでも変わります。
また2号(請負)と7号(継続的取引)の両方に該当すれば番号の小さい方が優先するといったルールもあります。

 こういった印紙税のルールを細かく理解しつつ、契約上重要な部分を外さないという書類を作れば印紙税は節約できますが、難易度は非常に高いです。

 

④ 電子契約書(おすすめ度★★★)

 電子メールでやり取りする文書は印刷しても原本がデータなので印紙税の対象にはなりません。
ただし書類としての証拠能力がやや弱い点が気になります。
最近では電子的にサインする契約書が比較的安価で普及してきているので紙の契約書を作らないことも増えてきました。
これであれば印紙税がかからず、かつ書類としての信頼度も担保されていると言えます。

 

 今後は電子契約書が増えていきそうです。
電子契約書がメインになって印紙税が廃止になってくれれば言うことなしなんですが…。