前回の続きで所得税と住民税の違いのうち「所得控除」と「税額控除」について見ていきます。
1.所得控除
所得税には所得控除が15種類ありますが、住民税では14種類です。
1つ少ないのは寄付金控除が住民税では税額控除であるためです。
① 人的控除
人に関する控除は住民税の方が少しずつ小さくなっていて、少ないもので1万円、多いもので18万円の差があります。
② 物的控除
支出に関する控除も住民税の方が少しずつ小さくなっています。
なお雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除は同じ金額となります。
2.税額控除
※1
寄付金税額控除は寄付先によって取扱いが変わります。
公益法人や認定NPO法人等は都道府県や市町村が条例で指定していれば対象になります。該当するかどうかは各自治体のHPで確認できます。
※2
ふるさと納税は所得税での所得控除と住民税の税額控除を合わせて寄附額の全額(2000円は除く)が軽減されます。
※3
調整控除は住民税独自の控除で、税源移譲に伴って増えた住民税の税負担を軽減するために設けられています。
特に手続きは必要なく、自動的に住民税の所得割額から控除されています。
※4
住宅ローン控除は所得税の制度ですが、所得税を全額還付してもまだ引き切れない残額がある場合には住民税から控除されます。
住民税は賦課課税制度で市役所が計算してくれるのであまり意識することはありませんが、所得税と少しずつ違っていて複雑な制度になっています。