消費税還付申告の調査強化

posted by 2022.02.1

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 消費税受け取った金額より支払った金額が多ければ還付を受けることができます。

 

 例えば大きな設備投資があった場合、業績が厳しく経費の方が多い場合、輸出事業者の場合などに還付申告となることがあります。
一方、この仕組みを悪用して還付を受けるケースも後を絶ちません。
先日もペット関連会社がイベント用に数百万円~1000万円の猫を20億円超仕入れて不正に還付を受けていたという衝撃のニュースも報道されていました。

 こういった事案を踏まえて1月21日に国税庁から「消費税還付申告に関する国税当局の対応について」という文書が公開されました。

次のような内容が書かれています。

・還付申告の中には課税/非課税の区分の誤りや固定資産等の取得時期の誤りなども見受けられる。

・内容によってはすぐに還付せずに保留する。確認に時間がかかれば保留期間は長期化する。

・還付の原因を確認するため、行政指導として電話等により根拠書類の提出を依頼したり、実地調査をすることもある。

・書類の例:輸出許可通知書やインボイス等の写し、設備投資の場合は契約書や請求書等の写しのほか、取引実態の確認できる資料

・課税仕入れや免税取引等の相手方と連絡が取れないことなどにより取引の実態の確認が困難である場合、取引に係る金銭授受の事実確認が困難である場合、輸出等に係る証拠書類が適切に保管されていない場合などには還付は保留される。

 

 内容としては特に目新しいという感じはありません。
ただわざわざ文書を出して宣言しているということは国税庁としても今まで以上に徹底して調べますよ、という意味だと思われます。

 税率が上がって不正還付事案が増えていることから、4月には消費税の不正還付に特化した「消費税専門官」が全国の主要税務署に新設されるという動きもあります。

 

 普通に申告している方は特に気にする必要はありませんが、還付申告になる場合は説明できる書類を整理しておく、申告書提出時に関係書類をあらかじめ添付しておくなどの対応が望ましいと言えます。