年末調整リターンズ2021 ③ 対象者

posted by 2021.11.17

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 年末調整の3回目は、誰が年末調整の対象者なのかを見ていきます。

 

 年末調整はできる人、できない人がいます。

まず対象となる人は、原則、会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した【年末在籍者】です。

これは扶養家族を把握しないと税金の計算ができないこと、年末に在職していないと年間給料が確定しないことが理由です。

【年末在籍者】には、産休育休や病気などで休職中の方も含まれますので年末調整の対象者となります。なお、出産手当金、育児休業給付金、傷病手当は給料に該当せず、所得税も非課税です。

「給与所得者の扶養控除等申告書」には、自分だけでなく配偶者や子供、親といった扶養家族の氏名・住所・生年月日を記載します。
毎年、年末に翌年分を記載して会社に提出しているはずです。
中途入社の方であれば、入社後すぐ、1回目の給料計算までに提出してもらいます。

 なお、扶養控除等申告書は必ず本人に書いてもらいましょう。
毎年同じだからといって、経理でまとめて書いたりすると、税務調査の際に「ホンマにこの人いるの?」と疑われることもありますので。
昨年書いた書式と同じですが、唯一の違いは押印欄がなくなったことです。
扶養控除等申告書だけでなく年末調整関係の書類すべての押印が不要になっています。

 

 対象者の原則は【年末在籍者】ですが、次のような人は年末に在籍していなくても年末調整します。

・年の中途で死亡退職
・年の中途で海外転勤して非居住者になった
・12月給料を受け取った後に退職 等

 

 一方、【年末在籍者】でも対象とならない人がいます。

① 給与の総額が年間2000万円を超える人

② 2ヶ所以上から給与をもらっている人で、他の会社に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人(≒当社では乙欄で給与計算している人)

③ 非居住者(国内に住所も1年以上の居所もない人)

④ 前職の源泉徴収票がない(1年分を合計できない)

 上記いずれかに該当する人や年の中途で退職して年末までに就職しなかった人は、自分で確定申告することで還付を受けることができます。

 いわゆる”副業”がある場合は、「扶養控除等申告書」を提出しているメインの勤務先で年末調整を行い、乙欄で計算されている副業の勤務先では年末調整はできません。
乙欄では多めに徴収されているため、確定申告すれば還付を受けられるケースが多いです。

 

 次回は「年末調整をする時期」です。