担税力って?

posted by 2013.06.17

 以前、「ハズレ馬券は経費?」のコラムを書きました。その際に、ふと思ったのが「担税力」という言葉。税金を負担する能力、要するに「税金払えるほど儲かったのか」ということ。

 前のコラムで紹介した裁判を簡単に振り返ると、Aさんは3年間で28億円の馬券を購入し、30億円の払戻しを受けたのですが、税務署から6億円近い税金を払うように言われたので訴えた、という話です。

 ヤフコメなんかを見ていると、「手元に2億円も残ってないのに、6億円の税金なんて払えるわけないだろ」という書き込みがたくさんありました。でも、払えないから払わなくていい」というのはちょっと違いますよね。そう思ったので、前のコラムでは、「Aさんは、納めるべき税金の分も競馬で使っちゃっただけじゃないのか。それは本人が悪いんじゃないのか」と、あえて世論に反する意見を書きました。

 「担税力」というのは、その税金を払えるほど儲かったのかどうか、という点が問題になります。「儲かったんだけど使っちゃった」というのでは、担税力は問題になりません。本人のだらしなさが問題です。この辺はしっかり分けて考えましょう。 
「担税力」が争点となった裁判がありますのでご紹介します。

長くなるので明日へ続きます。