『統計学が最強の学問である』 ⑤クレーム対応

posted by 2013.06.7

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”最強”の学問である統計学の事例の最終回です。

 今日は、コンチネンタル航空のクレーム対応について。 コンチネンタル航空では、飛行機が遅延したときや、ダブルブッキングでキャンセルになったときのクレーム対応をどうするか、実験してみたそうです。

トラブルが起きた顧客を3つのグループに分け、グループごとに①お詫びの手紙を送る、②お詫びの手紙とともにプレミアムクラブに一定期間無料入会させる、③何もしない、という対応をとってみました。

その後の調査で、何もしなかったグループは、ずっと怒っていることが分かりました。 お詫びの手紙を送ったグループは、「なかなか丁寧な会社じゃないか」と思ったのか、翌年コンチネンタル航空に費やしたお金が8%増えていましたお詫びとプレミアムクラブのグループは、その3割が無料期間終了後も自腹でプレミアムクラブに加入してくれました。

その後、コンチネンタル航空ではトラブルのたびにお詫びの手紙とプレミアムクラブの案内を送るようになりました。これにより、売上が1億5千万ドル増加しました。

 4つの事例を見てきました。 共通するのはデータを集め、因果関係を発見し、最善の手を素早く打つ、ということ。 今話題のビッグデータの活用も統計学の一つと言えるでしょう。 経営には「K・K・D」(勘・経験・度胸)が必要と言われますが、統計による裏付けにより精度は増していくと思われます。