消費税との付き合い方

posted by 2021.04.14

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 消費税は捉えどころのない性質があって、どう扱うかは状況によって変わります。

 

<消費者の視点>

 令和3年4月から「総額表示」が義務付けられています。
これは消費者が値札等を見れば支払総額が一目で分かるようにすることが目的です。

 

<事業者の視点>

 一方、令和5年10月からは「インボイス制度」が始まります。
これは売手が請求書等において税率や消費税額を明確にすることで、買手が控除できる消費税を把握することが目的です。

 

<資金繰りの視点>

 消費税を納税する事業者においては消費税はないものと考える必要があります。
原則課税方式では、受け取った消費税から支払った消費税を差し引いて差額を国に納付します。
その意味では”預かった税金”です。
税込みで数字を見ていると運転資金に組み込まれてしまい、納付する際に『納税資金がない!』ということになりかねません。
税率も10%まで上がり、納付税額も大きいので「税抜処理」で納付税額や経営上の数値を見ておくのがベターです。
また「税抜処理」「税込処理」に関わらず、消費税の予測納税額を別建てで積み立てておくと運転資金に混ざってしまうこともありません。

 

<助成金の視点>

 助成金を受け取った場合には消費税はかかりません。
一方、助成金で設備を購入する際には消費税を払うので、消費税の仕入税額として控除できます。
国から見ると、その部分に関しては事業者の消費税を安くするために助成金を渡したことになってしまいます。
そこで始めから税抜で申請するルールになっているものや、消費税控除分をあとで返還するルールになっているものもあります。
例えば、明日から申請が始まる『事業再構築補助金』は前者に該当し、『医療機関向けの感染拡大防止支援金』は後者に該当します。

 

 年々複雑かつ多額になっていく消費税ですが、付き合っていかざるを得ないので状況に合わせて判断するようにしましょう。