奨学金の返還支援

posted by 2021.04.9

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 優秀な人材確保のために従業員の奨学金の返還支援を導入する企業が年々増えているようです。

 

 具体的には、奨学金返済額相当を給料を上乗せする、勤続5年で一括返済するなど企業により様々ですが、税務上の取扱いは給与として課税され、社会保険料もかかっていました。
理屈では奨学金は本人が返済すべきものであり、お金の流れとしても従業員が受け取った支援金が必ずしも奨学金返済にまわるとは言い切れないためです。

 

 この負担を軽減するため、令和3年4月1日から新制度が始まっています。
新制度では企業が学生支援機構に直接返還する形になります。

 所得税法においては「学資に充てるため給付される金品」の給付は非課税とされています。
企業からの直接返済であれば、学資に充てられたことが明確であるため、非課税となり、従業員の所得税住民税や社会保険料の負担は従来に比べて軽減されます。
支援した企業においても「給与」として損金算入が可能です。

 

 なお、この特例を使うためには、日本学生支援機構が提供する「企業の返還支援(代理返還)システム(スカラKI)」に登録する必要があります。
登録がない場合は従来制度のまま課税されてしまうため、奨学金の返還支援をしている企業においてはぜひ新制度を活用するようにしましょう。