事業再構築補助金 ⑨ 指針

posted by 2021.04.7

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 事業再構築補助金の9回目は事業再構築指針です。
事業再構築というのは何を意味していて、何をすれば補助金の対象になるかが書いてあるのが”指針”です。
指針では5つの類型に分かれていますが、その前提として自社が日本標準作業分類においてどこに入るかを知っておく必要があります。
例えば日本料理店であれば次のように分類されます。
・大分類:M 宿泊業,飲食サービス業
・中分類:76 飲食店
・小分類:762 専門料理店
・細分類:7621  日本料理店

 

1.業種転換

① 概要
 全く新しい事業に取り組み、3~5年後に本業にする。
例えば製造業者が工場を閉鎖し、データセンターを建設するなど。
産業分類では大分類が変わります。

② 要件(全てを満たす)
<売上高構成比>
・3~5年後に新業種の売上構成比が最も高くなる。

<製品等の新規性>
・過去に製造、販売、サービス提供したことがない。
・主要設備の変更
・競合他社があまり提供していない。
・定量的に性能が異なる(計測できない場合は不要)

<市場の新規性>
・既存の製品やサービスと代替性が低い(関係性が薄くて置き換わらない)。
・既存の製品やサービスと顧客層が異なる。

 

2.事業転換

① 概要
 主たる業種(大分類)は変わらないが、主たる事業(中分類以下)を変えて、3~5年後にメインにする。
例えば日本料理店がコロナの感染リスクが低い焼き肉店を開業し、メインにしていくなど。

② 要件(全てを満たす)
<売上高構成比>
・3~5年後に新業種の売上構成比が最も高くなる。

<製品等の新規性>
・業種転換と同じ

<市場の新規性>
・業種転換と同じ

 

3.新分野展開

① 概要
 主たる業種(大分類)も主たる事業(中分類以下)も変更しないが、新製品等で新市場に進出する。
例えば航空機用部品メーカーが医療機器部品製造に進出するなど。

② 要件(全てを満たす)
<売上高構成比>
・3~5年後に新製品等の売上が総売上の10%以上

<製品等の新規性>
・業種転換と同じ

<市場の新規性>
・業種転換と同じ

 

4.業態転換

① 概要
 商品やサービスの提供方法、製品の製造方法等を相当程度変更する。
例えばヨガ教室がオンライン専用の教室を開始するなど。

② 要件(全てを満たす)
<売上高構成比>
・3~5年後に新しい製造方法等による売上が総売上の10%以上

<製造方法等の新規性要件>
・過去に実績のない製造や提供方法等
・主要設備の変更
・競合他社があまり採用していない。
・定量的にコストや生産性が異なる。

<製品等の新規性>(製造業のみ)
・業種転換と同じ

<既存設備の撤去又はデジタル技術の活用>(製造業以外)
・既存設備の撤去や既存店舗の縮小
・ITを使い、非対面化、無人化、省人化、自動化、最適化を行う。

 

5.事業再編

① 概要
・1~4に関して組織再編(合併、分割、株式交換、株式移転、事業譲渡等)を伴う場合に該当

 

 1の業種転換と2の業種転換についてはメインがガラッと変わるので分かりやすいですが、3の新分野展開と4の業態転換が判断が難しいところです。

 例えば要件を満たさない例として次のようなものがあります。

<デジタル活用>
・単にタブレットを導入→データベースを整備し、在庫管理に活用するなどカスタマイズや改良が必要

<製造方法等の新規性>
・衣料品販売店がZOZOに出店(必要な主要設備が変わらない)

 

 判断が難しい部分は逆に言えばそこをはっきり書ければ採択の可能性が高まることになります。
第1回の申請は今月中で日はあまりありませんが、事業の構想はしっかり練る必要があります。