所得ってどれですか?

posted by 2020.12.3

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 昨日、納税協会の税務相談担当だったのですが、その時に素朴で難しい質問がありました。

「所得ってどれですか?」

 その方は奨学金のランクの判定で必要とのことで聞いてこられたんですが、調べてみると基準は世帯の住民税の額でした。

 様々な申請書類で所得などを聞かれますが、何を指しているのか、源泉徴収票のどこを転記すればいいのかというのはなかなか難しいと思います。
そこで所得税や住民税における言葉の定義を確認します。

 

① 年収(年商)

<事業所得・不動産所得など>
・場所:確定申告書の「収入金額等」の欄
・内容:売上額(消費税が税込か税抜かは選択している経理方法によります)

<給与所得のみ>
・場所:源泉徴収票の「支払金額」の欄
・内容:手取りではなく控除前の額面金額

 

② 所得

<事業所得・不動産所得など>
場所:確定申告書の「所得金額」の合計欄
内容:いわゆる”儲け”で売上から経費を引いたもの

<給与所得のみ>
場所:源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の欄
内容:額面の年収からサラリーマンの経費である給与所得控除を引いたもの

 

③ 非課税世帯

 保育園、高校、奨学金などの申請においては、所得税ではなく住民税の額で判定されるケースが多いです。
住民税を勤務先で天引き(特別徴収)されている方は、毎年5~6月頃に勤務先でもらう「決定通知書(令和〇年分 給与所得等に係る市町村民税・道府県民税 特別徴収税額の変更・決定通知書)」で税額を確認できます。
自分で納付する普通徴収の場合は、毎年6月頃に届く「納税通知書(令和〇年度 市民税・県民税納税通知書兼税額決定通知書)」で税額を確認できます。

 なお、住民税そのものはふるさと納税で減らすことは可能ですが、「ふるさと納税、住宅ローン等の税額控除等の適用を受けている場合、判定における各区分に該当しない場合があります」といったことが書かれていれば、ふるさと納税はなかったものとして判定されることになります。

 

 今回はざっくりした区分を確認しましたが、「所得」の部分はもう少し厳密な区分がありますので、次回へ続きます。