給付金等の収益計上時期

posted by 2020.07.22

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 コロナに関連する給付金等に税金がかかるかどうかについて以前取り上げましたが、課税か非課税かという点とは別で、課税であればどの時点の収入にするかという論点もあります。

 給付金等は申請してから入金されるまでにタイムラグがあることが多いですし、申請通りの金額が入金されるとも限りません。
そういった場合を踏まえて給付金等の収益計上時期について確認します。

 

 法人税基本通達2-1-42に次のような一文があります。

「法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練等の経費を補填するために雇用保険法等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が確定していない場合であっても、その金額を見積もり、当該事業年度の益金の額に算入するものとする」

要約すると「経費補填の給付金は、対応する経費を払った事業年度に見積もってでも収益計上する」ということになります。
考え方としては”費用収益対応の原則”という企業会計の基本原則に従っていることになります。
逆に具体的な経費補填ではない奨励金のようなものは、支給決定を受けて確定した事業年度に収益計上します。

 

<経費補填として見積り計上すべきもの>
・雇用調整助成金
・職業転換給付金

 

<確定した時点で収益計上すればいいもの>
・持続化給付金
・自治体の休業協力金
・家賃支援給付金
・IT導入補助金
・障害者雇用調整金

 

 コロナ関連では雇用調整助成金のみが申請する給料が決算期内にあれば、見積り額(=申請額)を決算で収益計上することになります。

 なお、確定した時点で収益計上するものについて、決定通知が決算期末ギリギリに届いて入金だけが翌事業年度になった場合には、決算時点で確定しているので「未収入金」として収益計上することになります。