今回も悪い戦略の続きです。
<ある印刷会社のケース>
そこの社長に戦略について訪ねると、「毎年売上高を20%以上伸ばし、利益率を20%以上にする」との答え。具体的に何をするのか考えはあるのか聞いてみると「達成するまでやり抜く」と。
目標を達成するための道筋をつけるのが戦略であり、目標を掲げることは戦略ではありません。ここを取り違えている会社は非常に多い。
<ある地方自治体のケース>
そこの市長が見せてくれた「戦略プラン」の取組み事項は178件。その122番目には「戦略プランを作成する」とあった。誰か気づいてよね…
良い戦略は、決定的に大事な一つか二つのことに経営資源を集中させる。単にやるべきことを列挙したリストは戦略ではありません。
<ある大学のケース>
そこのミッションは「未来のリーダーを育て、知のフロンティアを広げることで社会に貢献する」というもの。これは「うちの大学は大学である」と言っているに過ぎません。この大学が何かを行おうとするときに、このミッションは何の指針にもならないでしょう。
(つづく)