ネット銀行の広告で「年利13%」の特約付外貨定期預金をみつけました。「特約」の付いた金融商品というのは、たいていロクなもんじゃないのですが、果たして・・・
まず「年利13%」の大きな文字が目に付きますが、その横に小さな文字で「1カ月もの」とあります。以前ここでも紹介した怪しい定期預金と同様、1カ月しか預けることは出来ないのに、1年間預けた場合の利回りを掲載しています。このやり方は定番なんですかね。
気になる特約の内容ですが、満期の際に預入時のレートと満期時のレートを比較し、円安になっていたら預入時のレートにより円貨で受け取り、円高になっていたら外貨のままで受け取る、というものです。
満期時に円安になっていた場合、普通の外貨預金なら為替差益で儲かるのですが、こいつは儲かりません。なぜなら「預入時」のレートで円換算するから。満期時のレートと預入時のレートが同じですから、為替差益が発生するわけありません。
一方、満期時に円高になっていた場合、普通の外貨預金なら為替差損で損しますが、こいつもやっぱり損します。ただし、こいつはうまいこと工夫してあります。「外貨のままで受け取る」というのがミソ。外貨のままで受け取れば、為替差損はいわば「含み損」。1万ドル預けて100ドルの利息が付けば、儲かったような気がします。たとえ円換算では損していたとしても。
年利13%は、1カ月に直すと約1%です。つまりこの外貨預金は、値上がりの儲けは1%で頭打ち、値下がりの損失は丸ごと被る、というものです。手を出さない方が無難だと思います。