NPO法人とは

posted by 2018.06.4

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 前回、法人設立の最近の状況について書きましたが、法人種別から見た設立数は、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人の順となっていました。
このうち合同会社と一般社団法人については以前書いたので、今回はNPO法人について見ていきます。

 

<NPO法人とは>

Non Profit Organizationの略で日本語では「特定非営利活動法人」です。
名前の通り、ボランティアなどの社会貢献活動を目的にする法人で、”非営利”いうのは営利行為をしないという意味ではなく、株主や役員に利益を分配しないという意味です(給料は取ることはできます)。
要件としては営利を主目的にしないこと以外に、報酬を受ける役員が総数の1/3以下、社員数10人以上、宗教活動や政治活動を主目的としない、理事3人以上、監事1人以上が必要、といったことがあります。

 

<メリット>

・法人格があることで社会的信用が得られ、契約の主体になれる

契約の主体になれるというのは賃貸契約やリース契約が結べる、銀行口座を持てるといったことを意味していて、これらは任意団体ではできません。

・設立費用が安い

資本金が不要で定款認証費用や登録免許税もかかりません
ただし手続きを代行してもらうと20万円程度の費用はかかります。

・税金が安い

学術、文化、芸術、スポーツ、観光、地域の振興など20種類の事業に関しては利益が出たとしても法人税はかかりません。
ただし収益事業を行なった場合はその部分の利益には普通の株式会社と同様に法人税がかかります。

 

<デメリット>

・設立に時間がかかる

株式会社は最短3週間ほどでできますが、NPO法人は都道府県の審査があるため半年近くかかります。

・きっちりとした事務処理が必要

非営利活動とその他事業との区分が必要なので帳簿の作成に経理的な知識が必要で、設立時及び毎年に各種届出も必要です。

・経営状況が公開されガラス張りに

税制面の優遇などメリットと引き換えに決算書が公開され、誰でも見れる状態にあります。

 
 こういったデメリットがあることから、合同会社や一般社団法人は年々増えているのに対し、NPO法人の設立数は減少傾向にあります。
逆に言うと簡単に作れる法人に流れなかったということでそれだけ公益性をアピールできるとも言えます。
課題としては寄附文化が育っていない日本では資金的に厳しく、ボランティアに頼らざるを得ないという面があります。