法定相続情報証明制度

posted by 2018.05.16

法定相続

 去年5月29日に始まった「法定相続情報証明制度」
創設の主な目的は相続の際の手続きを簡単にして不動産の登記が放置されることを防ぐ、というものです。
相続登記がない状態で放置されると売却ができなかったり、空き家につながることもあります。

 

 不動産の登記や預金の名義変更をするには戸籍謄本や住民票等を大量に集める必要があります。
民法上の相続人を正確に確定するにはやむを得ないのですが、役所もあちこち行く必要があり、戸籍等の取得費用も数万円かかることもあります。
また相続人間の関係では戸籍等を取ってもらうのに気を遣うこともあります。

 そこで1セット集めて登記所に出せば、1枚の家系図(法定相続情報一覧図)として交付してくれるという行政サービスがこの制度です。
費用はなんと無料です。この手の行政手数料で無料というのは珍しいので何としても登記をして欲しいのでしょう。

 

 一覧図の作成は自分でもできますが、親族や専門家に依頼することもできます。
専門家の範囲は弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士で、この中では行政書士さんが比較的積極的に取り組んでおられます。
費用は幅がありますが、1.5万円~5万円といったところでしょうか。

 

 期待の高かった法定相続情報証明制度ですが思ったほど普及していないようです。
専門家に頼むと費用がかかることもありますし、1セットは戸籍等を集めないといけないのでそれなら従来とさほど手間が減らないと感じるからかも知れません。

 より普及させるべく、30年4月1日から相続税の申告にも使えるようになりました。
相続税申告に使う場合には作り方に少し注意点があります。
注意点や作り方については長くなったので次回に続きます。