贈与税とは ④ 相続時精算課税

posted by 2018.05.9

6541a2168751ca7f789cd6f647e25392_s

 贈与税の第4回目は「相続時精算課税」です。
この制度は非課税枠が2500万円と大きいことから「節税になりますよ」という感じで保険会社さんの営業にも使われたりしますが、ある意味取り返しのつかない制度なので慎重に検討して実行する必要があります。

 

<概要>
60歳以上の父母又は祖父母から20歳以上の子や孫への贈与。

非課税限度2500万円、限度を超える部分には一律20%の贈与税。

相続の際には贈与時の評価額で足し戻して相続税を再計算します(払った贈与税も精算)。

・2500万円以下であっても贈与税の申告は必要です。

 

<メリット>
一気に多く贈与できます。

値上がりするものなら贈与後の値上がり益がもらった人に移転します。

収入を生むものなら収入が早めに移転します。

 

<デメリット>
相続時に足し戻すので根本的には節税効果はありません。

毎年の110万円贈与ができなくなります。

 

<こんな人・財産に向いてます>
もめそうなので確実に生前に渡しておきたい。

同族会社株などで値上がりの可能性が高い。

立地的に将来値上がりしそうな土地がある。

所得税対策として収入も移転したい。

相続税がかからないのであとで足し戻しても影響がない。

 

<こんな人・財産には向いてません>
確実に相続税がかかる。

・年齢が比較的若い(コツコツ暦年贈与ができる)。

・価値が下がっていくもの(例:自宅建物)

相続時に小規模宅地等の特例が使えるもの(例:自宅土地)

 

 ”2500万円まで非課税”という目先のメリットにとらわれずに長期的に効果があるのかどうか検証した上で実行するようにしましょう。

 

 次回は「住宅取得資金贈与」です。