昨日の続きで小規模宅地等の特例の改正、“新”家なき子について見ていきます。
<改正前>
・相続前3年以内に自分又は配偶者に所有する家に住んでいない。
<改正後>
・相続前3年以内に自分、配偶者、3親等以内の親族、特別の関係がある法人が所有する家、自分が過去に所有していた家に住んでいない。
この改正により、自宅の名義をあえて会社や身内に変えることにより自宅土地の評価を8割減する節税ができなくなりました。
<経過措置>
増税になる場合は急激な変化で損をすることがないよう経過措置が設けられることが多いですが、今回の改正にもあります。
・平成30年3月31日時点で”旧”家なき子の要件を満たしていて、相続が平成32年3月31日までなら旧規定で適用あり。
・経過措置の対象となる自宅が平成32年3月31日時点で建て替え中である場合には、申告期限までに取得した相続人が居住すれば旧規定で適用あり。
建て替え中というのはレアケースですが、1つ目の経過措置は事例としてあるかも知れません。
ただ判定は厳格で、平成30年3月31日時点で”旧”家なき子の要件をすべて満たしており(つまり今から名義変えるのは不可)、相続の時点(2年しかない)においても要件を満たしている必要があります。
家なき子狙いであえて節税対策をしている場合には2年経てば効果がなくなるので、実際に同居することを含めて検討し直す必要がありそうです。