仮想通貨の確定申告②

posted by 2018.02.1

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 昨日の続きで仮想通貨の確定申告について国税庁のQ&Aからひもといていきます。

 

Q5.分裂時の取得価額は0

仮想通貨はビットコインからビットコインキャッシュが誕生したように分裂を繰り返しています。
分裂する場合、通常新しい通貨を無料で配布してくれます。
このただで手に入れたものを売った場合には取得価額がありませんのでモロに税金がかかることになります。

 

Q6.所得区分は原則雑所得、例外事業所得

原則は雑所得となり、総合課税の税率15~55%で課税されます。
株式の場合は他の所得と分離して20%なので税率はかなり違います。
また偶然性の高い一時所得であれば50万円控除して×1/2してから税率をかけるのですが、一時所得にも該当しません。

例外として事業所得に該当するケースが考えらえます。
仮想通貨で生計を立てていることが客観的に明らかな場合や、商売をしている人が決済手段として使っている場合等は事業所得になります。
事業所得に該当するとマイナスが出た場合に他の所得と相殺できるメリットがあります。

なお副業としての雑所得の利益が年20万円以下であれば所得税の申告は不要です。

 

Q7.損益通算は雑所得内のみ

マイナスが出ても給料や事業など他の所得と損益通算できませんが、雑所得の中でなら損益を相殺することができます。
例えば他の仮想通貨の損益や年金等と通算することができます。

1月以降値下がりしている仮想通貨も多いですが、所得税は暦年単位なので去年の利益との相殺はできません。

 

Q8.証拠金取引も雑所得

仮想通貨にもFXのように保証金を入れてその何倍もの取引をする証拠金取引がありますが、普通に売買するのと同様雑所得に該当します。

 

Q9.マイニングの所得区分は事業所得または雑所得

マイニング(採掘)により仮想通貨を取得した場合は事業所得又は雑所得に該当します。
所得金額は収入金額(マイニングで取得した時の時価)から必要経費(パソコンや通信費などマイニングにかかった費用)を差し引いて計算します。

 

 こうして見ていくと税金的にはとにかく厳しいです。
新しい商品で変化も激しいだけに網を大きくし、税金も高めに取っておこうという意図があるのでしょう。

昨年の上昇率が強烈だっただけに税金が多額になる方も多いでしょう。
また現金化してなければ納税資金も手許にないので注意が必要です。

 

 仮想通貨に関しては支払調書も出ていないし、通帳を通らずに利益が実現しているケースもあるしで、そもそも申告しないとばれるのか?という素朴な疑問も湧いてきます。

これに関してははっきり言って分かりません。
ただ取引所を調査すれば取引は把握できるので国税当局がどこまで本気になるかといった点にかかってきます。

 なお罰金としては次のようなものがあります。

・過少申告加算税:5%~15%
・無申告加算税 :5%~30%
・重加算税   :35%~50%(悪質・巨額な脱税の場合)
・延滞税    :2.7%または9%(平成29年)

 これとは別に脱税額が1億円と超えると告発(逮捕)されることもあり得ます。
巨額の利益を出している方は「ばれないだろう」とタカをくくっていると大変なことになります。