年末調整リターンズ Ⅲ そもそも必要?

posted by 2017.12.7

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 そもそもなぜ年末調整をするのでしょうか

 会社は、毎月の給料の支払い時に所定の「源泉徴収税額表」により所得税を天引きして税務署に納付しています。
給料明細の控除項目にある『所得税』の欄のことです。
しかし、この毎月差し引かれた『所得税』の1年間の合計額と実際に納めなければならない年税額とは通常一致しません。

 

 なぜ一致しないかと言うと…

・「源泉徴収税額表」は毎月の給料に変動がないことが前提

・年の途中で扶養親族等に異動があっても、遡って修正しない

・各種保険料控除などは年末調整の際に控除する。
(ただし扶養親族の数、障害者控除、寡婦(夫)控除は毎月の控除額で反映済)

といったところです。

 

 そこで、年間給与総額が確定する年内最後の給料で正しい年税額を計算して徴収し過ぎた人には還付、徴収不足の人には追加で徴収を行います。

このように、毎月概算で徴収した『所得税』と確定した正しい『所得税』を精算する手続きが【年末調整】です。

 

 時々、年末調整の書類がなかなか集まらないとか、集めるのが面倒という方から「年末調整しなくていいですか?」とご質問をいただくことがあります。

 答えとしては「最悪しなくてもいいですが損はしてます」となります。
毎月の源泉徴収で最低限必要な金額は天引きしているので年末調整しなくても税金がもれることはありません。
年末調整をパスすることで損をしている税金は確定申告すれば取り返すことができますが、手間としては確定申告の方が面倒です。

 なお年末調整しない場合は源泉徴収票に『年調未済』と記入します。

 

 次回は対象者について見ていきます。