税理士によって相続税は変わるのか?

posted by 2017.08.8

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 昨日、セカンドオピニオンについて取り上げましたが、そもそも税理士によって税金は違ってくるものなんでしょうか。
特に差が出やすい相続税についてどんな点で違ってくるのか見ていきます。

 

1.改正や判例への対応

税法は多岐にわたるので全ての税目を完璧に理解するのは不可能に近く、ある程度特化して対応する必要があります。
改正に関しては税法だけでなく、施行令や通達など細かい部分が毎年にように変わります
判例に関しても考え方がガラッと変わる可能性もあるので常にチェックしておかなければなりません。

 

2.広大地評価

来年には改正される広大地評価ですが、これまでは該当するかどうかの判定が難しく評価額も大幅に変わる(最大65%減)ため、トラブルが多発していました。
判定項目としては、地域的にマンション向きでないか、現状の用途、道路の必要性などがあります。
一度申告して払った相続税を更正の請求(5年以内)によって億単位で取り返すケースもあります。

 

3.小規模宅地等の特例

居住用や事業用の宅地を50%あるいは80%減額する特例ですが、これも判定が難しいです。
この特例は一度選択すると後で選び直すことができないので最初の申告が勝負となります。
特に別居している親族でも80%減額できる”家なき子”のケースが複雑です。

また配偶者軽減との兼ね合いもあります。
配偶者軽減で大幅に相続税が減る場合は、小規模宅地の特例をムダに使ってしまうこともあるのでトータルで相続税が減る組合せを考える必要があります。

 

4.二次相続

相続税は今さえ安ければいいというものではありません。
次の相続の時に配偶者軽減などが使えないことにより多額の相続税が発生し、合計で多く払い過ぎるケースもあります。
一次相続の段階で二次相続も含めたシミュレーションを行ない、トータルで相続税を抑えつつ、人間関係や心理も考慮して遺産分割を考える必要があります。

 

5.同族株式

同族株式は相続税を考える上では厄介な代物です。
事実上換金性はありませんが、評価は高くなりがちで会社支配にも影響します
今すぐ後継者に相続させるのか、一旦配偶者軽減を使って配偶者に移転して退職金で下がった評価額で贈与していくのか、というようなことも検討します。

 

 相続税はいろんな要素が絡んでくることや1回勝負であることからセカンドオピニオンも利用しながら適正に申告し、かつ節税もしていきたいところです。
また亡くなってからではなく生前の方が対策できる幅が広がるので早めのご相談をお薦めします。

当事務所でもセカンドオピニオンに対応しておりますのでお気軽にご相談下さい。