不動産鑑定士になるには

posted by 2017.06.21

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 不動産鑑定士シリーズ最終回は「不動産鑑定士になる方法」です。
ただそれだと単なる試験案内になってしまうので実務家(Y氏とK女史)にヒアリングもしてみました。

 

1.不動産鑑定士試験

①  一次試験(短答式)

・試験科目:不動産に関する行政法規、不動産の鑑定評価に関する理論の2つ

・受験資格:なし

・合格率 :H28年 1568人中511人(32.6%)

 

②  二次試験(論文式)

・試験科目:民法、会計学、経済学、不動産の鑑定評価に関する理論の4つ。3日で12時間かかる。

・受験資格:一次試験合格から3年以内

・合格率 :H28年 708人中103人(14.5%)

 

③  実務修習

・受験資格:二次試験合格者。何年後でもOK。

・修習期間:1~3年、合計10日

・修習課程:講義(6日)、基本演習(4日)、実務演習(22件)

・修了考査:小論文、口頭試問

・合格率 :H28年 122人中104人(85.2%)

 二次試験の難易度の高さが受験者数の減少の要因ともなっているため、科目合格を認める方向で検討がされているようです。

 

2.不動産鑑定士の特徴

・平均年収は600~700万円

平均年齢50歳、男女比は9:1

・鑑定事務所で働く人が64%、不動産業界14%、金融業界6%

・国家資格の中では珍しく株式会社が作れる

 

3.実務家の声

① こんな仕事もしてます

・空き家や所在不明土地の相談窓口。

・工場の機械など動産の評価。

・田舎のおじいちゃんおばあちゃんからの不動産全般の相談。

・競売物件の調査でゴミ屋敷やネコ屋敷に突入。

 

② 鑑定士のやりがい

・高速道路や新幹線など地図に残る仕事に関われる。

・不動産に関するプロとして他士業と連携できる。

 

 士業として近くにいても業務内容について知らないことも多いので一般の方はもっと想像がつかないと思います。
ただいろいろ聞いてみると敷居の高い専門家というより、不動産のことなら何を聞いても良さそうなので周りに不動産鑑定士さんがいる場合は気軽に声をかけてみましょう。もちろんうちからご紹介もできます。