不動産鑑定士の不足

posted by 2017.06.19

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 不動産鑑定士の不足が懸念されるため、国土交通省の懇談会において試験制度や業務内容の見直しが検討されているようです。

 不動産鑑定士公示地価などの公的審査や民間の不動産投資に関する鑑定評価など重要な業務を担っているにも関わらず一般にはあまり知られていない面もあるので掘り下げてみたいと思います。

 

1.現状の課題

<受験者数の減少>

・2016年度は1568人とピーク時の約1/3

・不動産会社ではリーマンショックで資格取得費の補助が減少。

・2次試験の合格率が1割前後と低い

<高齢化>

・登録者数約8300人のうち60歳以上が4割以上

 

2.見直し案

<2次試験で免除制度を導入>

・不合格となっても4科目のうち一定以上の成績を得た科目について一定期間受験を免除

・なお2次試験の科目は「民法」「会計学」「経済学」「不動産の鑑定評価に関する理論」の4つで、現状の制度は3年間のチャンスはあるものの科目合格のない一発勝負

<農地の評価を鑑定業務に追加>

遺産分割や融資の際の担保とする際に農地の鑑定評価が行われていますが、現状では参考価格を提示するに留まっています。

・そこで正式な業務として法的に位置付けて業務の拡大を図ろうとするものです。

 

 次回以降、不動産鑑定士の仕事内容や不動産鑑定士になる方法について詳しく見ていきます。