金と言えば金の延べ棒や金貨を思い浮かべますが、投資手段としてはいろいろなパターンがあり、投資の仕方によって税金の取り扱いも変わってきます。
① 純金積立
<特徴>
証券会社で毎月定額で金を購入します。
定額なので高い時に少なく、安い時に多く買うことになり平均単価が下がります(ドルコスト平均法)。少額から手軽に始められるのも特徴です。
<税金>
一般的には総合課税の譲渡所得に該当します。
儲けから50万円を控除した上で給料など他の所得と合算して所得税住民税を計算します。
5年超保有している場合は50万円を控除したあとに1/2を掛けて計算します。
営利目的で継続的に売買している場合は事業所得または雑所得に該当するので50万円の控除や1/2を掛ける計算はありません。
② 金貨・地金
<特徴>
実物を買うため、世界中どこででも換金が可能です。
ただし実物である分盗難リスクはあります。
<税金>
① 純金積みたてと同じです。
③ 金ETF
<特徴>
金の投資信託のことで証券会社を通じて上場している金融商品として買います。
債券に投資するタイプの商品では元本保証がありません。
<税金>
通常の投資信託と同じように申告分離課税となり、儲けに対し20.315%の税金がかかります。
源泉徴収ありの特定口座に入れている場合は申告不要です。
また税金面では平成23年に改正があり、200万円以上の取引をした場合には支払調書が税務署に提出されることになりました。さらに平成28年からは支払調書にマイナンバーも記載されています。
投資の方法としては上記のようなものがありますが、金を決済手段として使う商品も来年以降登場するようです。これは金をあらかじめ買っておいて、カードで購入したものを支払う時にその分だけ金を売って支払うというものです。ビットコインのようにお金の価値が変動することになります。
金の最近の動きとしてはトランプ大統領の就任で株価が上昇し、資金が株に流れたため金が取引量は減っているようです。
一方金の国際価格は上昇しており、有事に備える需要があると考えられます。
金と一口に言っても、いわゆる”延べ棒”だけでなくいろいろな商品が出てきているのでリスク分散のために資産の一部を金に置き換える動きが今後増えていきそうです。