平成29年度税制改正大綱 ⑫酒税

posted by 2016.12.28

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 あさびじ年内最終回は結局上がるのか下がるのかが気になるビールの税金です。

1.ビール系飲料の酒税

<現状の350ml缶あたりの酒税>

ビール:   77円
発泡酒:46.99円
第3のビール:28円

<改正>

54.25円に統一

 ビールは安くなり、発泡酒と第3のビールは高くなりますが、急に変わると開発にしのぎを削る企業の業績への影響も大きいため、平成32年、35年、38年の3段階で実施されます。

 

2.定義の変更

 ビールの定義が抜け道を探すような開発競争につながっていたため、定義も変更されます。

<現状>

ビール麦芽67%以上。原料は麦芽、ホップ、水、麦、米、とうもろこし等に限定。
発泡酒:麦芽又は麦を原料の一部とする。麦芽比率25%未満が主流
第3のビール:麦芽以外を原料とする。発泡酒に別のアルコールを混ぜたものも。

<改正>

ビール麦芽50%以上。果実や香味料も原料に含めてOK。
発泡酒:ホップや苦味料も原料に加え、第3のビールや今後開発される類似商品も取り込む
第3のビール区分は事実上消滅

 ビールに関しては原料の定義を緩和することで外国産ビールの販売や地ビールの開発をしやすくする狙いがあります。

 

3.ビール以外も改正

 ビールばかりが注目されていますが、他の税率も平成32年、35年、38年の3段階で統一されます(税額は350ml缶あたり)。

清酒 :42円35円
果実酒28円35円
チューハイ、ハイボール28円35円、アルコール分も9度未満⇒11度未満へ引上げ。

日本酒は安く、ワインとチューハイ、ハイボールは高くなっていく方向です。

 

 ビールもビール以外もシンプルになるのでガラパゴス的な開発競争は今後減っていくのかも知れません。
消費者としてはおいしいものが安く飲めればそれに越したことはないのですが。