白紙の領収書

posted by 2016.10.19

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 ルールはえてして作る側の人に破られるものです。
仕組みを理解しているだけに破り方も分かります。
何の話かというと政治家の白紙領収書

 政治資金パーティで白紙の領収書を受け取って金額を自分で書きこんで政治資金としていたようです。
しかも「発行する側の作成方法に特に規定がないから法律上問題ない」ということになってるようです。
日々税務調査を受ける側からすると「そんなアホな」と言いたいところで特に規定がないのは書くまでもない当たり前のことだからでしょう。

 

 税法上は法人税や消費税に定めがありますが、例えば消費税で控除を受けるには領収書に次の内容を書く必要があります

① 書類作成者の氏名又は名称
② 年月日
③ 内容
④ 金額
⑤ 受け取った事業者の氏名又は名称

 このうちよくある白紙の領収書では④金額と⑤受け取った事業者の氏名又は名称、場合によっては②年月日が空欄になっています。

 

 こんな白紙の領収書はありかというとナシです。

 

 まだ②年月日は記入もれもあり得るのでもらった時にすぐ日付を書いておくか、出金伝票で補完しておけばOKです。⑤受け取った事業者の氏名又は名称もランチ時で忙しいとか、参加者が多いセミナーで書くのが煩雑と言うケースもあるのでやむを得ない面もあります
ただし④金額は「好きな金額書いてくれていいよ」という悪意しか感じませんので証拠能力は極めて低いです。
お客様から預かった領収書にこんなのが出てきたらはねるしかありません。
税理士が④金額を書き足せばさらに問題があります。

 なお自分で書きこんだ領収書はあとで裏を取られることもあります
飲食店などの領収書は税務署内のデータベースに情報が蓄積されていくので払った側ともらった側の集計があまりにずれていれば税務調査で指摘されます。

 

 政治家が通るなら民間も通る、なんてことはありませんので白紙の領収書にご注意!
その場で日付や金額を書いてもらうのは当然ですが、あとで気づいた場合は経緯を書く、案内資料や出金伝票で信憑性を補完するなどして変に疑われないようにしましょう。