mustとcan②

posted by 2016.09.15

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 一旦期限内に申告した後に税金が変わることがあります。
増える場合は修正申告減る場合は更正の請求という手続きになります。
税金を返してもらう更正の請求「することができる」のは分かりますが、税金を追加で払う修正申告「しなければならない」ではなく「することができる」です。
 
 これは所得税、法人税、相続税などは自主申告が原則であるため、税務署から強制的に更正されるまでの間であれば修正申告「することができる」という理屈になっているからです。
ただし例外もあります。買換えの申請をしていて予定通りに購入できなかった場合等は購入期限から4ヶ月以内に修正申告「しなければならない」となっています。

 

 一旦申告したあと税金が変わる応用例として相続税の未分割から分割への変更があります。

 相続の遺産分割が申告期限である10ヶ月以内に整わない場合には一旦”未分割”の状態で期限内申告します。
未分割の場合は法定相続分で相続したものとして相続税を計算して各自が納付します。
その後遺産分割協議や裁判などで分割できた場合、法定相続分を上回った人は相続税が増え、法定相続分を下回った人は相続税が減ります

 この場合、相続税が増える人の修正申告、減る人の更正の請求、どちらも「することができる」です。
税務署としてはトータルで払ってくれる金額が同じなら誰からもらおうがあまりこだわりはありません。
そのため手続きを何もしてなくても税務署から連絡は来ません。

 現実的には税金は払い過ぎている人は必ず取り返そうとするので、還付の手続きがされたら税務署は増える人に更正の手続きで取りに行きます。

 また未分割が分割になった場合、配偶者控除や小規模宅地等の特例が使えるようになりトータルの税額が減るので「することができる」ですがした方が得になることが多いです。
ただし相続から3年10ヶ月以内という期限があるので、未分割の際の話し合いはリミットから逆算しながら早めに進めていきましょう。